点接触時のTEHL解析結果(Liu, Jiang and kaneta)との比較
本事例では、TEHLAC参考文献[10]に記載の解析結果(*)とTEHLAC解析結果を比較します。解析モデルは以下の通りです。物体1の速度は物体2の速度の3倍であり、かなり大きなすべりが有る事例です。
接触二物体:半径20mmの球と平面
物体1速度:0.849 m/s(推定)
物体2速度:0.283 m/s(推定)
負荷荷重 :271.68 N(推定)
大気圧粘度(η0) :0.08 [Pa・s]
圧力-粘度係数(α) :2.2・10-8 [1/Pa]
温度-粘度係数(γ) :0.042 [1/k]
潤滑剤大気圧密度(ρ0):870 [kg/m3]
固体密度(ρs) :7850 [kg/m3]
熱膨張係数(β) :0.00065 [1/k]
潤滑剤比熱(cf) :2000 [J/kg・k]
固体比熱(cs) :470 [J/kg・k]
潤滑剤熱伝導率(kf):0.14 [w/m・k]
固体熱伝導率(ks) :46 [w/m・k]
圧力-密度係数(C1):0.6 [1/GPa] (Dowson-Higginson密度式の係数)
温度-密度係数(C2):1.7 [1/GPa] (Dowson-Higginson密度式の係数)
入口部温度(t0) :303 [k]
EHLパラメータ(文献での入力値が不明なため、若干の違いがあります)

(*)下記文献のFig.3(c)
Liu, X., Jiang, M., Yamg, P., and kaneta, M., “Non-Newtonian Thermal Analyses
of Point EHL ContactsUsing the Eyring Model”, Transactions of the ASME,
Journal of Tribology, Vol., No.127 (2005), pp.70-81.
<解析結果>
Liu, Jiang, Yamg, and kanetaによる油膜中央部温度解析結果(文献中のFig.3(c))を下図に示します。ここで、τ0はEyring粘性の特性剪断応力であり、τ0の値が大きいとニュートン流体に近づきます。

図1 油膜中央部温度解析結果(Liu, Jiang, Yamg, and kaneta)(メッシュ:257×97×11)
上記解析結果に対応したTEHLACによる平均温度(Tm=tm/t0)解析結果を以下に掲載します。

図2 油膜平均温度Tm解析結果(TEHLAC)(メッシュ:65×33×11)
(補足)TEHLACでは無次元平均温度Tmをプロットしましたが、油膜中央部温度も出力されています。ただ、油膜中央部温度と平均温度の差は少ないと考え、Tmをプロットしています。
TEHLACの解析方法は、Liu, Jiang, Yamg, and kanetaの解析方法と比べて、粘度計算方法が少し異なりますが、図1、図2を比較すると、かなり良い一致を示していると言えます。
以上より、TEHLACの温度解析は妥当であることを確認できたと言えます。
【追記】(2021年4月16日)
図2のX方向メッシュを、[65×33×11]から[129×49×11]へ変更し、細かいメッシュで計算した結果を、図3に掲載します。なお、図2では油膜平均温度Tmをプロットしたため、図1と比べて、温度値が若干低くなったため、図3ではTmではなく油膜中央部温度[油膜内部温度Tの油膜厚さ方向中央位置:メッシュ番号k=6]、をプロットしています。これにより、温度の絶対値も図1と一致するようになりました。

図3 油膜中央部温度解析結果(TEHLAC)(メッシュ:129×49×11)
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