概要
NOCPACは、接触領域がほぼ平面上にあるとみなせる接触問題(Non-Conformal Contact Problem)において、接触二物体間に発生する接触面圧と表面下応力を解析するソフトウエアです。
NOCPACの特徴の一つに、接触物体の形状入力に、3D-CADを使用できることが挙げられます(ころ軸受の接触に関しては、ころ軸受専用のEXCELインターフェイスも準備されています)。3D-CADを使用することで、入力形状をビジュアルに確認でき、かつ入力が容易になり、入力ミスを防止することができます(幣房特許製品)。3D-CADとのセット販売で低価格を実現しております。
NOCPACのもう一つの特徴は、転がり軸受の疲労寿命理論(多点LP法)を用いて、表面下応力から転がり疲労寿命値を計算できることです。この機能を用いることで、クラウニング形状の設計検討が可能になります。

(a)矩形部材と平面の接触面圧 (b)円筒ころのエッジロード
(2分の1のみ表示)

3D-CADインターフェイス
NOCPACで採用している3D-CADにプラグインされたインターフェイスです。3D-CADで作成可能な、あらゆる形状の物体に対して接触解析が可能です。インターフェイス上で、物体形状設定、収束コントロール、材質、外部荷重、面圧メッシュ作成、表面下応力メッシュ作成、ソルバー選択、等のすべての操作を行うことができます。
接触二物体の形状を入力する場合、以下の方法から選択できます。
①ご使用中の3D-CAD(CATIA, NX, Creo(Pro/E), 等)で作成する
②NOCPACの3D-CADで作成する
③形状計測データから入力する
ころ軸受専用インターフェイス
ころ軸受の接触問題に限定したEXCELインターフェイスです。インターフェイス上で、物体形状設定、収束コントロール、材質、外部荷重、面圧メッシュ作成、表面下応力メッシュ作成、ソルバー選択、等のすべての操作を行うことができます。(最適クラウニング探索には本インターフェイスが必要です)
計算可能なころ軸受 :円筒ころ軸受、円すいころ軸受
計算可能部位 :ころと内輪の接触、または、ころと外輪の接触
計算可能なクラウニング:クラウニングなし、フルクラウニング、円弧状カットクラウニング
直線状カットクラウニング、対数クラウニング(直線部あり・なし)
複数円弧クラウニング(左右セットで2セットまで)(図1参照)
ころ端部形状 :チャンファ[長さ、半径を入力](あり・なし)
軌道面ヌスミ形状 :直線状ヌスミ[開始位置、角度を入力](あり・なし)
複数円弧クラウニング
設定されたクラウニングに対して、下記「複数円弧クラウニング」を任意の位置に設定することも可能です。
(対数クラウニングに対しても設定可能)
(例1)複数円弧クラウニング2個(下図(a)参照)
(例2)複数円弧クラウニング4個(下図(b)参照)


(a) 円弧状カットクラウニング (b)円弧状カットクラウニング
+複数円弧クラウニング2個 +複数円弧クラウニング4個
図1 複数円弧クラウニングの例
また、計算結果から、下記グラフを自動作成します。
・接触面圧
・ころ、軌道輪母線形状
・表面下剪断応力τyzの最大値
・ころ、軌道輪の母線の変形後の形状
1-2 接触面圧・表面下応力計算理論
・NOCPACで採用している解法は、接触領域を矩形メッシュ分割し、分割された要素内部の接触面圧を節点面圧で一次補間し、この面圧分布による変形量の釣合と外力との荷重の釣合から、接触面圧を求めるものです(*1)。要素内部の面圧を一定とした計算に比べて、要素間で接触面圧が連続しているので、表面下応力が精度よく算出できます。
(*1)「線形四角形要素を用いた接触面圧と表面下剪断応力の解析」長谷陽夫, 機械学会論文集, C編, 第73 巻, 732 号, pp.2401-2408 (2007).
・接触面圧による変形量の計算には、半無限体に集中荷重が作用したときの理論解であるBoussinesq解を用いています。このため、接触領域が平面上にあると見なせる問題に対してのみ利用可能です。
・表面下応力は接触面圧を求めた後で、計算します。計算方法は文献(*1)を参照ください。
1-3 メッシュ
・面圧メッシュ
面圧メッシュは2段階で作成することができます。
第1段階では、接触領域をX方向、Y方向に均等分割します。
第2段階では、接触面圧分布が急激に上昇すると思われる位置に再分割領域を設定し、その領域を細分割します。細分割の方法は幾何級数的に細かくなる方法と均等に分割する方法の2種類を選択できます。細分割領域はX方向、Y方向とも10ヶ所設定できます。
これらの粗密メッシュを組み合わせることで、計算規模を小さくすることができ、接触問題を短時間で解くことができます。
・応力メッシュ
応力メッシュも面圧メッシュと同様、2段階で作成することができます。応力メッシュはX,Y,Zの3方向の分割が必要ですが、細分割はX,Yの2方向に対して設定できます。また、表面下応力は接触面圧ほど急激な上昇はないので、細分割は均等分割だけの設定となっています。
1-4 ソルバー
NOCPACは接触問題を短時間で解くことをコンセプトに作成しています。このため、NOCPACでは計算を行う際にPCのコア数・スレッド数を自動検出し、自動的に並列計算を行います。利用者が操作することは何もありません。
ソルバーは下記の2種類から選択できます。
・ニュートンラフソン法
・反復法
ニュートンラフソン法は非常に収束性が良く、また並列計算によるマトリックス分割効果が大きいため、短時間で計算することができます。このため、NOCPACの標準ソルバーとして採用しています。ただ、メモリーを大量に消費するため、大規模問題には向いていません。
反復法はニュートンラフソン法ではメモリーがオーバーフローしてしまい解けなくなるような大規模問題を解くときのソルバーです。反復法では計算時間が膨大なものとなる可能性がありますので、できる限りニュートンラフソン法をご使用されることを推奨します。
1-5 並列計算
NOCPACの並列計算には下記2種類のモジュールがあり、並列計算強化版で並列計算機能が強化されています。
・通常版 並列計算機能は弱い
・並列計算強化版 計算の高速化を図るため、並列計算機能を強化
これら同梱され、実行選択が可能で、下記のようになります。
・「ころ軸受専用インターフェイス」の場合: 計算実行時に、インターフェイス上で選択できます
・「3D-CADインターフェイス」の場合: 通常「並列計算強化版」が選択されますが、手動で変更可能です
両者の処理速度の比較は、解析事例c10に記載されています。ベンチマークテストでの計算結果の値は同じであり、「並列計算強化版」の利用を推奨します
1-6 入力可能な外部荷重
入力可能な外部荷重は、下記の通りです。
・法線方向荷重(Z方向)
・モーメント(X軸回り、Y軸回り)の入力もできます。
(補足1)モーメントが大きい場合、二物体の接触が外れてしまい、解けなくなることがあります
(補足2)物体の移動が固定された方向について、反力が出力されます
取付誤差等の微小回転に対しては、その都度物体を3D-CADで作成しなくても、NOCPAC内部で物体を傾斜させて解析することができます。
右のリンク、または「NOCPAC解析事例」ボタンから入ってください ---> NOCPAC解析事例
NOCPAC
・NOCPAC動作環境:64bit版Windows(32bit版Windowsでは起動できません)
3D-CAD
・3D-CAD動作環境:OpenGL対応グラフィックスボード
転がり疲労寿命計算モジュール・ころ軸受専用インターフェイス・最適クラウニング探索モジュール等
EXCEL動作環境:EXCEL 2010以上(但し、32bit版のEXCEL;EXCEL 64bit版には対応していません)
(注)マイクロソフト社のEXCEL 2010以上のライセンスをご準備願います。
ライセンス管理(コピープロテクト)に、ドングル(USBキー)を使用します。
ドングル(USBキー)をUSBポートに装着したコンピュータでのみ、NOCPACを起動できます。
ネットワーク型のドングルはご提供しておりません。
解約される場合は、ドングルをご返却いただきます。
NOCPAC用3D-CADのライセンスは別管理となります。詳細はお問い合わせください。
〒438-0088
静岡県磐田市富士見台4-8
TEL 0538-33-3239
FAX 0538-34-9094
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