概要
TEHLACは、下記前提の下、熱弾性流体潤滑理論[一般化レイノルズ方程式とエネルギー方程式の連成解析]により、面圧分布、油膜厚さ分布はもちろん、潤滑油膜内部の3次元温度分布、潤滑油の3次元速度分布、発熱量分布、摩擦力、等を解くソフトウエアです。
TEHLACは、通常のEHL計算も可能です(EHL解析モジュール内包)。
・潤滑剤レオロジー特性: EYRING粘性モデル
・油膜厚さ方向温度分布:放物線を仮定
・温度境界条件 :下記3種類から選択
@(潤滑油膜を挟んでいる)固体内部の温度分布計算
境界条件1:固体厚み方向端部で外部温度と同じ
境界条件2:油膜部と固体部の熱流束が同じ
A半無限体が一定速度で移動する場合の表面温度の式(*)
B外部ファイルにより接触2物体の表面温度分布を入力
(*)半無限体が一定速で移動する場合の表面温度の式(参考文献の頁[11]参照)
この式は文献[11]の著者らによって初めて解かれたため、「Carslaw and Jaegerの式」と呼びます
この式は、スピン発生時には、一定速度の前提が崩れるため、使用できません

温度境界条件@(固体+油膜) 温度境界条件A,B(油膜のみ)
(熱弾性流体潤滑理論と弾性流体潤滑理論の違いについて)
潤滑油膜の解析には、通常、弾性流体潤滑(EHL)理論が用いられますが、EHL理論では、@油膜内部の温度は一定, A潤滑油の密度と粘度は油膜厚さ方向に一定、という仮定を用いています。しかし、接触面のすべりが大きくなると、発熱の影響により、これらの仮定は崩れ、使用することができなくなります。そこで、熱の影響を考慮した熱弾性流体潤滑理論(TEHL)による解析が必要となります。TEHLACは、熱弾性流体潤滑理論(TEHL)を用いて、接触二物体間の、接触面圧分布、温度分布等を計算します。
上述のように、TEHL解析では、一般化レイノルズ方程式とエネルギー方程式を同時に解くため、計算規模が非常に大きくなります。このため、大量のメモリーと計算時間が必要になります。ROBPACSやNOCPACは比較的短時間で解を求めることが可能ですが、TEHLACは解を求めるのに長時間を必要とします。また、場合によっては、収束しにくいこともあります。

(a)接触面圧図(EHL解析) (b)接触面圧3D表示(EHL解析)

(c)点接触油膜形状コンター図(EHL解析) (d)油膜中央部温度分布(TEHL解析;すべりあり)
潤滑剤特性
・潤滑剤密度変化は、以下の2種類から選択できます
密度変化なし
Dowson-Higginsonの式
・潤滑剤の粘度変化は、以下の2種類から選択できます
Barusの式
Roelandsの式
・ニュートン流体を仮定します
基礎式
・通常のレイノルズ方程式を使用します
メッシュ分割はX,Yの2方向で行います
出力
・接触面圧分布(有次元、無次元) インターフェイスが自動グラフ作成(無次元のみ)
・油膜厚さ分布(有次元、無次元) インターフェイスが自動グラフ作成(無次元のみ)
・粘度分布(有次元、無次元)
・密度分布(有次元、無次元)
・転がり粘性抵抗(有次元)
潤滑剤特性
・潤滑剤密度変化は、以下の2種類から選択できます
密度変化なし
Dowson-Higginsonの式
・潤滑剤の粘度変化には、Roelandsの式を使用します
・潤滑剤の剪断特性(レオロジー特性)には、EYRING粘性を仮定します
基礎式
・一般化レイノルズ方程式とエネルギー方程式の解き方を下記の2種類から選択できます。
@一般化レイノルズ方程式とエネルギー方程式を同時に解く(同時解)
A一般化レイノルズ方程式を解いた後、エネルギー方程式を解く(別々解)
(油膜のメッシュ分割はX,Y,Z方向で行います Z:油膜厚さ方向)
別々解を用いた場合、メモリーと計算時間の消費を抑えることができます。
温度境界条件
・温度境界条件は、下記3種類の選択が可能です。
@(潤滑油膜を挟んでいる)固体内部の温度分布計算により油膜境界温度を算出
境界条件1:固体厚み方向端部で外部温度と同じ
境界条件2:油膜部と固体部の熱流束が同じ
A 半無限体が一定速度で移動する場合の表面温度の式を使用(*)
B 外部ファイルにより接触2物体の表面温度分布を入力
→ 各格子点で物体表面温度を入力することで、雰囲気温度設定が自由に行えます
(*)参考文献の頁[11] Carslaw and Jaegerの式
潤滑剤(流体)の速度や方向が変化する場合、Aは使用できません。@を使用します。
出力
・接触面圧分布(有次元、無次元) インターフェイスが自動グラフ作成(無次元のみ)
・油膜厚さ分布(有次元、無次元) インターフェイスが自動グラフ作成(無次元のみ)
・平均温度分布(有次元、無次元) インターフェイスが自動グラフ作成(無次元のみ)
・各物体表面温度分布(有次元、無次元) インターフェイスが自動グラフ作成(無次元のみ)
・3次元温度分布(有次元、無次元)
・3次元X方向粘度分布(有次元、無次元)
・3次元Y方向粘度分布(有次元、無次元)
・3次元密度分布(有次元、無次元)
・3次元X方向速度分布(有次元、無次元)
・3次元Y方向速度分布(有次元、無次元)
・3次元X方向剪断応力分布(有次元、無次元)
・3次元Y方向剪断応力分布(有次元、無次元)
・エネルギー方程式の各項[対流・伝熱・粘性発熱・圧縮発熱]の出力(無次元)
・物体表面に作用する剪断力を積分した摩擦力(有次元)
・接触面圧分布のモーメント計算からの転がり粘性抵抗(有次元)
以下は、温度境界条件が、上記「温度境界条件」項の@である場合に出力されます
・固体の3次元温度分布(有次元、無次元)(XY方向分布×Z一定で、Z方向分布×XY位置で)
・固体の厚み方向端部での温度勾配(無次元):固体の必要厚みチェック用
以下は、物体にスピン回転がある場合に出力され、EHL単独計算時でも出力されます
・物体1、2のX、Y方向表面速度(無次元)
・物体1、2の表面速度(無次元)ベクトル表示
上述の「3次元」と表示のある出力の場合、同梱の「油膜厚さ方向分布グラフ作成ツール」にて、油膜厚さ方向(Z方向)のグラフを作成することができます。
【注意事項】
重荷重時や低速時、油膜力が足りなくて、物体が浮上できないことがあります。この場合、解析できません。
右のリンク、または「TEHLAC解析事例」ボタンから入ってください ---> TEHLAC解析事例
TEHLACはメモリーを大量に消費します。このため、TEHLACは64bit機上での稼働を前提としています。下記OSとメモリーで起動できます。
OS :64bit版Windows(32bit版では起動できません)
メモリー :8GB以上, 推奨32GB以上
インターフェイス:EXCEL 2010以上(但し、32bit版のEXCEL;EXCEL 64bit版には対応していません)
(注)マイクロソフト社のEXCEL 2010以上のライセンスをご準備願います。
ライセンス管理(コピープロテクト)に、ドングル(USBキー)を使用します。
ドングル(USBキー)をUSBポートに装着したコンピュータでのみ、TEHLACを起動できます。
ネットワーク型のドングルはご提供しておりません。
解約時には、ドングルをご返却いただきます。
〒438-0088
静岡県磐田市富士見台4−8
TEL 0538-33-3239
FAX 0538-34-9094
e-mail info@korogari-kaiseki.com