円弧状カットクラウニングでの最適クラウニング計算(寿命最大化)
本事例は、事例c7で実施したフルクラウニング形状での寿命最大化事例のころを、円弧状カットクラウニングころで、転がり疲労寿命値を最大にするクラウニング形状を探索します。
さらに、類似事例ROBPACS解析事例s24の最適値との違いについて考察します。
目的関数:転がり疲労寿命値最大化
ころ :φ12×12 (チャンファ長さ 0.5mm)円弧状カットクラウニング
変数 :直線部長さとクラウニング半径
最適クラウニング探索手法: 修正勾配法(幣房オリジナル)

(注)円弧状クラウニングR中心の軸方向位置は、ころ軸方向長さの中央位置にあります
図1 円弧状カットクラウニングころ
面圧メッシュ、応力メッシュとも事例c7と同じです。
【面圧メッシュ】 基本分割:48×60 再分割:チャンファ部位置両側0.1mmを5分割(不均一分割)
【応力メッシュ】 x方向:0.5mm均等分割+応力集中部(x=0.5と11.5)両側0.1mmを10分割(等分割)
y方向:0.01mm均等分割+応力集中部(y=0.22)両側0.03mmを6分割(等分割)
z方向:0.002mm均等分割
【修正勾配法】 初期値 :直線部長さ=4mm, クラウニング半径=700mm
刻み幅 :直線部長さ=1mm, クラウニング半径=100mm
計算回数:10回
<解析結果>
修正勾配法から得られたクラウニングRと直線部長さの最適値を事例c24の表2に示します。
表2 最適値探索結果 (ROBPACS最適値は事例s24より転記)

ROBPACS最適値との比較
NOCPAC最適値は、ROBPACS最適値と近い値になっていますが、ROBPACSと比べて、直線部長さは長く、クラウニングRは小さくなっています。クラウニングRの最適値は、NOCPACの方が小さくなっているものの、直線部長さの影響で、チャンファ位置でのドロップ量は、NOCPACの方が小さくなっています。この原因は、事例c7で検討したように、「EPC法はエッジロードがやや小さく計算されること」、並びに「面圧ベースの寿命計算と表面下応力ベースの寿命計算に差があること」が考えられますが、現時点ではどちらが正しいのか判断できません。
参考までに、両者の接触面圧を以下に掲載します。NOCPACのエッジロードは、事例c7で述べたように、チャンファ部でメッシュを細かくしていることによるもので、最大値は34564[MPa]です。

図2 最適値における接触面圧比較
最適値における表面下剪断応力τyzの最大値(τmax)を図3に掲載します。図で「ROBPAC最適値」は、ROBPACSの最適値探索結果を用いて、NOCPACで計算したときのτmaxです。両者とも、面圧計算で発生していたエッジ部のピークは消失しており、フルクラウニングと比べて(事例c7の図4)、かなりフラットなτmax分布が得られています。

図3 最適値におけるτmax比較
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