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解析事例−s21EXAMPLE-s21

FF車用マニュアルトランスミッションのギア噛合い量計算

下図のような5速のFF車ギアボックス構造(ギアは円盤で表現)を仮定し、ギア噛合い量の計算を行います。(下図は3D-CADで作成したものであり、ROBPACSインターフェイスで表示されるものではありません)

  
        図1 FF車用マニュアルトランスミッション(平面図;カウンター軸を除外)
     
              図2 FF車用マニュアルトランスミッション(鳥瞰図)

入力トルク・回転数と各速度の使用頻度を表1に、ギア諸元を表2に示します。(軸受内部諸元は割愛)

表1 入力トルク・回転数と使用頻度
 変速位置  入力トルク
(Nm)
入力回転数
(rpm) 
使用頻度
(%) 
噛合ギア数
(入力〜ファイナル) 
 1st  200  3000  1  2
 2nd  200  3000  4  2
 3rd  200  3000  15  2
 4th  200  3000  60  2
 5th  200  3000  20  2
 rev  200  3000  0  3

表2 入力軸(軸アッシィ番号1)のギア諸元(他の軸のギア諸元は割愛)
 ギア番号  名称  位置
(mm)
 タイプ  歯数 PCD
(mm) 
 圧力角
(deg)
ねじれ角
(deg) 
 No.1  1st  20  ヘリカル 10  30  20  30
 No.2  2nd  40  ヘリカル 20  40  20  30
 No.3  3rd  60  ヘリカル 30  50  20  30
 No.4  4th  80  ヘリカル 40  60  20  30
 No.5  5th  100  ヘリカル 50  70  20  30
 No.6  rev  120  平歯車 16  32  20  −

さらに表3のように、動力伝達パスを指定します。表中のn-mのnは軸アッシィの番号、mは軸アッシィ中のギアの番号を示します。噛合番号は表1の噛合ギア数と対応しています。

表3 動力伝達パス
   噛合No.1  噛合No.2  噛合No.3
   drive driven  drive   driven drive   driven
 1st  1-1 2-1 2-7 4-1  −  −
 2nd  1-2 2-2 2-7 4-1   −  −
 3rd  1-3 2-3 2-7 4-1   −  −
 4th  1-4 2-4  2-7 4-1  −  −
 5th  1-5 2-5  2-7 4-1  −  −
 rev  1-6 3-1  3-1 2-6 2-7  4-1



<解析結果>

例として、1速時の入力軸と出力軸のたわみ量を図3に示します。

                 図3 1速時の入力軸/出力軸の変位量

図3は、入力軸(軸No.1)と出力軸(軸No.2)の軸中心位置でのラジアル方向(DELX,DELY)とアキシャル方向(DELA)の変位量です(軸傾斜量、ねじれ量は割愛)。DELXは第1軸から第2軸に向かう方向、DELYはそれに直角方向の変位です。1速時に噛合うギアは入力軸では20mm位置のみ、出力軸では20mmと140mm位置になります。
図3から、たわみの全体的傾向を把握することができますが、変位の傾向としては、以下のようになります。
即ち、駆動軸と従動軸に作用するギア荷重は、作用・反作用の関係で、互いに反対方向に作用するため、両者の変位は互いに逆方向を向きますが、第2軸にはファイナルギアが付いているため、第2軸の変位は、このギアからの荷重による変位が重ね合わされて、第1軸と第2軸の変位が互いに逆方向を向くとは限りません。また、図1からもわかるように、ファイナル軸が、第1軸と第2軸で形成される平面上にはないため、さらに複雑です。

次に、ギア噛合い点(ギア歯面)での2軸間の定量的な相対変位量を求めます。ギア噛合い点位置での定量的な変位量を得るには、軸傾斜によるギア歯面のアキシャル方向移動量を算出する必要があり、X軸回りとY軸回りについて、ギアPCDと軸傾斜量のかけ算が必要で、計算がやや面倒ですが、ROBPACSではギア噛合い点での移動量、並びに両軸間の相対移動量も出力されます。この結果を図4に示します。なお、相対変位量=駆動軸変位−従動軸変位です。

                図4 ギア歯面位置での相対変位量


図5は各軸受の各速度での寿命と使用頻度を考慮したトータル寿命です。BRGn-mは第n軸の第m番目の軸受を示しています。第3軸はカウンター軸で使用頻度は0で、reverse時のみの使用となるためグラフから除外しています。第4軸はファイナル軸です。

                   図5 軸受寿命

出力軸を支持している軸受2-1, 軸受2-2の寿命が短いことがわかります。これらの軸受は出力軸を支持している軸受です。出力軸は減速された大きなトルクを伝達しているため、ギア荷重が大きく、このため寿命が短くなると考えられます。ファイナル軸も同じギア反力を受けますが、軸受4-1, 軸受4-2間の軸受スパンが短いため、支持するモーメントが小さく、このため、出力軸ほど寿命は低下しません。このモーメントデータは割愛しますが、ROBPACSの軸受支持荷重の出力から確認できます。
TOTAL寿命は、3速や4速での寿命と近い結果が得られており、使用頻度の大きさに影響されていることがわかります。

このように、ROBPACSギアボックスモジュールを使用することで、系全体の寿命や相対変位量が効率的に得られます。

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