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解析事例−s27EXAMPLE-s27

カットクラウニング直線部長さの最適値(複数円弧クラの直線部長さ連動機能)

事例s24では、「円弧状カットクラ+複数円弧クラ4個」の変数に直線部長さを加えることができず、直線部長さを6mmとして計算しました。直線部長さを変数に加えることができなかった理由は、直線部長さが変化した時、直線部長さと円弧状カットクラの接合部に設定した複数円弧クラの位置が直線部長さに連動して移動しないため、取り残されてしまい、クラウニング母線形状が不連続となってしまうためでした。この問題を解決するため、Ver.3.1.1から、直線部長さに連動して、複数円弧クラの位置が移動するというオプションが加わりました。

本事例では、この機能を用いて、事例s24で検討した「円弧状カットクラ+複数円弧クラ4個」の変数として、直線部長さも加えて、最適解を探索します。

但し、直線部と円弧状カットクラの接合部(複数円弧クラ1の両端部)が、なめらかに接続するように、複数円弧クラの自動接続機能を使用します(直線部と円弧状カットクラ部が滑らかに接続するように、複数円弧クラの中心位置を自動設定する機能で、中心位置がどこであるかは、出力されます)。この機能を使わない場合、複数円弧クラ1の位置が直線部と連動して正しい位置に設定されても、複数円弧クラ1の円弧半径Rが適切でないと円弧状カットクラウニング部との接続部で不連続になってしまいます(図1)。複数円弧クラ1の円弧半径Rが最適値の場合は、滑らかに接続すると思われますが、不適切な場合は無駄な計算になってしまうため、この自動設定機能を使用します。

         
             図1 不適切な複数円弧クラウニング

(解析内容)
    目的関数 : 寿命最大化
    探索方法 : 指定領域探索法

(ころ接触解析)
    ころ分割数 : 200分割
    接触解析方法: EPC法

(クラウニング形状)
    クラウニング形状: 円弧状カットクラウニング+複数円弧4個
    クラウニング部位:ころに付与, 内外輪軌道面はクラウニング無し

       
         [複数円弧1:±2.5〜±3.5mm]直線部と円弧状カットクラ部の接続部
         [複数円弧2:±4.5〜±5.5mm]円弧状カットクラ部とチャンファ部の接続部
        (座標原点はころ軸方向の中央)
      図2 円弧状カットクラ+複数円弧4個(ころ:φ12×12)

(変数)
    各寸法のうち、下記4種類を変数としました
    ・クラウニングR :変数 [探索範囲:1000〜3000(500刻み)]
    ・ころ直線部長さ :変数 [探索範囲:2〜8(0.5刻み)]
    ・複数円弧1の位置:ころ直線部長さに連動
    ・複数円弧1の半径:変数 [探索範囲:20000〜30000(10000刻み)]
    ・複数円弧2の位置:固定
    ・複数円弧2の半径:変数 [探索範囲:30〜50(5刻み)]

(注1)複数円弧クラウニングは左右2個セットで1個とカウントしています
       複数円弧クラ1:円弧2+円弧3(図1参照)
       複数円弧クラ2:円弧1+円弧4(図1参照)
(注2)複数円弧クラ2はころチャンファ部にあるため、位置は固定し、クラウニング半径のみを変数に設定します。

<解析結果>

最大軸受寿命を与える最適値探索結果を、事例s24(直線部一定)と比較して、表1に、最大寿命値での接触面圧グラフを図3に示します。表1で、両者の寿命値を比較すると、直線部変動時の方が寿命が長くなっており、直線部長さを変動させた効果が出ていますが、その効果は0.2%(表中の比率欄参照)という、極くわずかな向上にとどまりました。

得られた最適解の変数値を比較すると、複数円弧クラウニングR1の値が大きく異なっています。即ち、直線部一定時は450mmであるのに対し、直線部変動時は上限値の30000mmとなっています。両者で異なる理由は、複数円弧クラ1の中心位置の設定に違いがあると考えられます。即ち、直線部一定時の複数円弧クラ1の中心は±2.5mm位置にあるのに対して、直線部変動時は中心位置をROBPACSが自動設定するという点です。これについては、後述します。
また、直線部長さを変動させたときの、長さの最適値は4.0mmである結果が得られました。この妥当性についても後述します。

内輪面圧(図2)については、直線部一定時と変動時で大きな差はありませんが、変動時の方が、若干フラットになっています。

 表1 最大寿命値探索結果 [寿命単位:×106(rev)]



     
                    図3 内輪側接触面圧比較

次に、上述した問題点(@複数円弧クラ1の中心点位置の違いの影響、A複数円弧クラ1の中心点位置を自動設定しないときの最適直線部長さ)に対して、直線部長さを手動設定した場合と自動設定した場合について、直線部長さを2,4,6,8mmに固定して、3変数[クラウニングR,複数円弧クラ1の半径,複数円弧クラ2の半径]で最適値を探索してみました。探索法は指定領域探索法です。結果を図4に示します。


     (a)複数円弧クラ中心位置手動設定            (b)複数円弧クラ中心位置自動設定

                     図4 直線部長さと寿命

図4より、(a)(b)でそれほど大きな差はなく、どちらも直線部長さが4mmのとき、最大寿命が得られました。複数円弧クラ1の中心位置を自動設定した場合(図b)は、表1の直線部変動時最適計算結果と同じになり、直線部長さとの連動計算の妥当性が確認できました。


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