各種クラウニングタイプにおける最適クラウニング形状計算
本事例では、事例s23の円筒ころに対して、6種類のクラウニングタイプを設定し、各タイプ毎に、最大寿命を与える最適クラウニング形状を探索し、接触面圧分布を調査します。
なお、さらに探索を継続すれば、より良い解が見つかる可能性もありますが、ここでは、@できるだけ早く設計を完了させること、A使用可能で、かつ、かなり良い解を得ることを目的としています。(荷重:13720N,
ころ分割数:200分割, EPC法)
(補足)最適値探索計算では、「真の最適値は何か」という命題に対する解はありません。その理由は、探索結果が得られても、見つかっていない解が存在することもあり、得られた解が真の最適値であるかどうかを証明することが難しいからです。このため、本事例で得られた寿命値を比較して、どのタイプのクラウニングが優れているかを決定することは必ずしも正しいとは言えませんが、概略の傾向は見えてくると考えます。
(解析内容)
目的関数 :寿命最大化
探索手順 :第1ステップ:「従来スライス法+EPC法」にて、広域探索し、近似的最適解を得る
第2ステップ:第1ステップで得られた近似解付近を「EPC法」にて探索
(注)「従来スライス法+EPC法」は、ころと転走面の接触計算の正確性に若干劣りますが、計算が速いため、この手法で概略値を得て、その後、その付近を「EPC法」にて正確に解く、という2ステップで解析します
(最適値探索方法)
使用した探索方法 :指定領域探索法
(クラウニングタイプ)
下記6種類(クラウニングはころに付与, 内外輪軌道面クラウニング無し)
(1) フルクラウニング(変数1個:クラウニングR):事例s23の修正勾配法の結果を転用
(2) 円弧状カットクラウニング(変数2個:直線部長さ、クラウニングR)
(3) 直線状カットクラウニング(変数2個:直線部長さ、測定点のドロップ量)
(4) 対数クラウニング(変数3個:事例s18の文献におけるK1,K2,ZM)
(5) (2)のクラウニングに対して2個の複数円弧クラウニングを追加
(変数3個:クラウニングR、直線部長さ、複数円弧クラウニングR1個)
(6) (2)のクラウニングに対して4個の複数円弧クラウニングを追加
(変数3個:クラウニングR、複数円弧クラウニングR2個)
(補足1)複数円弧クラウニングは左右2個セットで1個とカウントしています(図1(5)(6)参照)
(補足2)(6)の「円弧状カットクラ+複数円弧クラ4個」では、下図(6)に示す円弧2,3を円弧状カットクラウニングのR部と直線部のつなぎ部に設定しているため、直線部長さは6mmとして、変数から除外しています

(1)フルクラウニング (2)円弧状カットクラウニング (3)直線状カットクラウニング
[直線部長さ:6mm] [直線部長さ:6mm]


(4)対数クラウニング (5)円弧状カットクラ+複数円弧2個 (6)円弧状カットクラ+複数円弧4個
[複数円弧:±4.5〜±5.5mm] [複数円弧1:±2.5〜±3.5mm]
[直線部長さ:6mm] [複数円弧2:±4.5〜±5.5mm]
[直線部長さ:6mm]
(カットクラRの座標原点はころ軸方向中央にあります)
図1 各種クラウニング(ころ:φ12×12)
<解析結果>
各クラウニングタイプにおいて、最大軸受寿命を与える最適値探索結果を表1に示します。また、表1の最大寿命値の比較グラフを図2に掲載します。探索の設定(特に第2ステップ)にもよりますが、これらの探索結果はいずれも各1時間程度で得ることができました。(本事例ではころ本数が1本であるため、計算は比較的短い時間で完了しましたが、ころ本数が多くなると計算時間は増加します。)


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